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2020年03月18日

コラム/最適物流の科学㊾

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第四十九回となる今回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「適正運賃が荷主の利益を守る」をお話しいたします。

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適正運賃が荷主の利益を守る

 

かつて国際定期航路の運賃は、海運業者間の協定によって決められていました。それを行なっていたのが、海運同盟あるいは運賃同盟と呼ばれる国際的なカルテルです。運賃を定めるだけでなく、寄港地を規制したり、新規参入を制限したりすることで過当競争を防いでいました。

しかし一九八〇年代に入ると、同盟に加入しない船会社が現れるとともに、アメリカで規制緩和が進められたことなどにより、同盟は弱体化していきました。その後もEUで海運同盟に対する競争法(独占禁止法)の適用が決まるなど、同盟の力はますます弱まっていきました。こうした経緯で海運同盟が実質的に崩壊したことも、今日のような過当競争を招いた要因としてあげられます。最近の世界的な海上運賃の下落傾向は、「上海発海上コンテナ運賃指数(SCFI:Shanghai Containerized Freight Index)」の推移などを見ても明らかです。

 

運賃を自由競争に委ねること自体は間違いではありません。あらゆる障壁を撤廃し、新規参入を促すことは経済を活性化させる上で必要です。競争によって運賃が下がり、サービスが向上するのであれば、それは荷主にとって喜ばしい結果でしょう。しかし競争の激化によって船会社自体が疲弊してしまっているのが海運業界の現状なのです。

実際、二〇一六年には韓進海運という大手船会社が破綻するという事態も起きてしまいました。この時荷主は、他の船に貨物を移す必要に迫られ、大きな負担を強いられました。中には航空輸送を使わざるを得なくなり、莫大な費用負担を強いられた荷主も少なくありませんでした。

安い運賃によって利益を享受できても、船会社がサービス停止に追い込まれたり、あるいは合併等でサービスが集約されてしまったりしたら、その都度荷主は、高い費用を払ってでも他の輸送手段を見つけねばならなくなります。船会社の経営状態を心配しながら貨物を委託する会社を選ばねばならない状況は健全とはいえません。リスクを伴う低運賃よりも、安定・安心の可能性が高い適正運賃の方が荷主にとって好ましいのではないでしょうか。

以前、ある船会社で、上海からブラジルまで一コンテナ一〇〇ドルという常識では考えられない運賃の提示がなされました。そこまで極端なレベルの低運賃を望む荷主がいるでしょうか。

運賃競争がこのまま行き着くところまで行った場合、最終的には船会社が一社になることすら現実味を帯びてきます。サービスが一つに集約されることが、荷主にとっての利益といえるでしょうか。「最適物流」も、複数の船会社がさまざまなルートで船を運航させて初めて実現されます。

船会社がここ数十年にわたって繰り返してきたシェア争いも、そろそろ見直す時期に来ているかと思います。業界では、これまでにGRI:General Rate Increase(海上運賃一括値上げ)が何度も試みられてきましたが、いずれも失敗に終わりました。船腹量が余剰している限り、従来のやり方では効果が一時的なものだということは歴史が証明しています。また、近年では日本の海運マーケットは世界一安いともいわれています。これは、船会社と実荷主の直接契約の歴史が長いのも一つの原因であると思います。

なかには、船会社が荷主に運賃を提示する際、「大手荷主だから」、「有名荷主だから」、「付き合いが長いから」といった非経済的な理由で安売りをしてしまうケースもみられます。取引を維持するためにはやむを得ないことかもしれませんが、それは結果として自らの首を絞めるようなものです。

やはり、正確にコストを把握し、適正な利益を乗せた運賃を、どの荷主に対しても提示することが求められます。とはいえ、船会社が実荷主に対して圧倒的に不利な立場にあるという現実がある以上、それまでの慣行を変えるのは難しいことかもしれません。

そこで、一つの解決策として、船会社(実運送事業者)から実荷主には直接スペースを提供せず、フォワーダーにのみ提供する方法を提案したいと思います。フォワーダーが荷主の代わりに全船会社の情報を収集し、交渉をするのです。

船会社が直接に実荷主に営業をする場合、どうしても固定費を少しでもカバーするため船会社の立場が弱くなり、今までの付き合いやネームバリューを重視し、採算度外視で安い運賃を提示しがちです。

そうではなく、スペースをフォワーダーのみに適正運賃で卸し、実荷主に対する営業はフォワーダーに託し、そこで適正な競争をしてもらうのです。フォワーダーは、基本的に船会社からの仕入れ値以下で売ることはありません。自社で船を所有しないためその固定費がなく、スペースが自社の在庫になるわけでもないので、赤字を出すレベルまで安く売る必要はないからです。

また、そうすることで船会社は自社船の運航に専念することができます。同様に、荷主も本業に専念することができます。実際、荷主が全船会社の情報を集め、船会社と直接交渉をするのは容易なことではありません。日本国内で国際物流の情報を広く収集するのは非常に難しいのが現状です。

そうした情報を収集し、提供することこそが、フォワーダーの役割であり、かつ最大の特徴ともいえるでしょう。フォワーダーは、海外にある船会社の本社を直接訪問し、その船会社のプライシング、スペースコントロール担当者と直接交渉し、パイプを構築します。さらには、船会社の役員クラスの人物と会食等を通じての情報収集を行なうこともあります。そうして、日本の船会社の担当者も知り得ない情報を得るのです。

実際エアー業界は、すでにエアーフォワーダーだけにスペースが提供されるスタイルでほぼ運営されています。海運業界でもできないことはないでしょう。また海外では、フォワーダーの方が実荷主に近く、船会社と健全なパートナーシップを結んでいるケースが多く見られます。

船会社は、売っているもの(船のスペース)を在庫にすることができません。買い手に対して圧倒的に不利な立場にある船会社を保護することこそが、「公正な取引」といえるでしょう。先に述べた通り、かつては海運同盟(運賃同盟)という国際的なカルテルがありました。運賃に関して、そうした緩やかな話し合いの場があってもいいのではないでしょうか。

適正価格で商売ができない業界は、いずれ必ず立ち行かなくなります。産業自体も衰退へと向かいます。

日本の海運業の維持・発展のためには、適正運賃の確保に向けた努力も求められるのです。日本の海運業界が最悪の事態に陥らないためにも、公正取引委員会への陳情を含め、何らかの手を打つべきではないかと、私は思っています。

第一章で述べた通り、日本の貿易は九九%以上が船舶によって行われています。日本の生存に欠かせない重要な社会基盤ともいえる外航海運を担う日系企業が、遂に一社に集約されました。一九六〇年代に一二社あった日本の船会社が、約半世紀を経て一社になってしまったのです。

談合や同盟、今では船会社の人間同士の挨拶すら厳禁なのに、合併ならOKなのでしょうか。合併はむしろ同盟よりも立派な〝談合〟になるのではないでしょうか。同盟というゆるやかな話し合いの場があり、複数の船会社が存在することにより、ユーザー側からしたら、運賃の値差があり、競争させることができておりました。サービス内容・価格が全く統一されるより複数の選択肢があったほうが、消費者保護になるのではないでしょうか。

新会社での船出も、決して順風満帆ではありません。外資との競争で将来的にどうなるかわからないという不安を抱きながらの出発です。今後、外航海運を担う日本の船会社がゼロになる可能性は否定できません。

それは、たとえば電力会社がすべて外資になるに等しいことです。もし日本の電力を外資に握られたとしたら、有事の際に日本に電力を供給してくれるでしょうか。日本の海運はそうした危機的な段階に入ろうとしているのです。

船会社は、輸送効率を上げるために船を大型化しました。そしてスペースの供給過剰に陥り利益率が下がりました。続いて業績不振を打開するため合併や買収を進め、アライアンスにより共同運航を実施しました。

同時に外国籍船、外国人船員に運航を委ねるようになりました。こうした一連の動きにより、低運賃が実現される一方で、荷主の利便性は失われていきます。さらには、日本の有事への備えを失うことにも繫がります。この流れは船会社だけでなく、関連業者、荷主、そして一般国民にとっても決してメリットにはならないでしょう。一業界人として、船会社間の競争の緩和を切に望みます。

 

  1. Going beyond the wild waves of excessive competitions

 

Proper fare protects shipper’s profit

 

Formerly, the international regular route fare was decided on by agreement among shipping companies.

An international cartel called shipping alliance or fare alliance was engaged in this important task. In addition to determining fares, they prevented excessive competition by restricting the call ports and restricting new entrants.

 

In the 1980 ‘s, the alliance became weakened due to the appearance of the shipping companies that did not join the alliance, and also because of the advancement of the deregulation in the US. Furthermore, the power of the alliance continued to get weakened , due to the new application of the competition law (antitrust law) against the shipping alliance in the EU. The shipping alliance virtually collapsed under these circumstances. This fact is one of the reasons that brought the excessive competition like the one seen today. It is clear that the worldwide marine fare is declining these days. This is conspicuous by looking at the transition of “Shanghai Containerized Freight Index (SCFI)”.

 

The idea of protecting the fares from free competition is not a mistake in itself. Eliminating all barriers and encouraging new entry is necessary for revitalizing the economy. If the competition reduces freight and improves service, it will be  pleasing news for shippers. Shipping companies themselves are getting exhausted due to intensified competition. It is the current status of the shipping industry.

 

In fact, in 2016, a major shipping company called Hanjin Shipping had collapsed. At that time, the shipper had to transfer the cargo to another ship. Some shippers had no choice but to use air transportation, and not a few shippers were forced to accept a huge cost.

 

Even if shippers take the profit with a cheap fare, they have to find other transportation methods with high costs each time when a shipping companies are forced to stop the operation or to combine their services due to a consolidation. The situation that shipper has to choose with considering about the managing condition of the shipping company is not proper. The proper fare with high possibility of stability and security than low-cost fare with risk would be better for the shippers.

 

In the past, one shipping company presented the fare of $100 per container from Shanghai to Brazil. This rate was so outrageous. Does any shipper really want such an extremely low fare?

 

If the fare competition gets further heated up,  it may become realistic that only one company will survive in the shipping industry. Do you think the shipper will  benefit if the marine service should be consolidated into one?

 

“Optimum logistics” is also realized only when multiple shipping companies operate various routes.

It is the time we should review the fight over the market share among shipping companies for the past several decades. In the shipping industry, GRI: General Rate Increase has been attempted many times, but none of them  succeeded. History proves that its effect was temporary in the conventional measure as long as the ship quantity is surplus. Besides, the Japanese shipping market is said to be cheapest in the world in recent years. In Japan, the history of direct contracts between shipping companies and shippers is long. This is also one reason why the Japanese marine market can be so cheap.

In some cases, shipping companies present a very cheap fare to the shipper for non-economic reasons such as “You’re a big shipper”, You’re a famous shipper” or “Ours is a long relationship”. Although it may be unavoidable for maintaining trading, it is as if they were inviting a bad result to themselves. In any case, it is required for the shipping company to always grasp the cost exactly and present to every shipper the proper fare that includes its appropriate profits. In reality, shipping companies are overwhelmingly in a disadvantageous position in contrast with shippers. Under such circumstances,  it may be difficult for the shipping companies to change their conventional practices.

 

In this context, as one solution, I would like to propose to shipping companies (real transportation companies) that they should only provide their shipping spaces for forwarders, not to real shippers. Forwarders collect information about all shipping companies and negotiate with them on behalf of shippers.

 

When shipping companies negotiate with real shippers directly, they much care about the long-term relationship or name value and tend to present cheap fare without much thought of profit. It is because shipping companies somehow try to cover their fixed cost, and as a result, they are in a weak compare position in dealing with actual shippers.

 

Instead, the shipping companies sell their spaces to only forwarders with the appropriate fare. They commission forwarders to do sales activity, and then forwarders compete properly. Forwarders basically do not sell below the purchase price from shipping companies. It is because forwarders do not own ships, therefore unsold spaces do not become their stocks. That explains forwarders do not need to sell cheaply to the level which generates a deficit.

 

Accordingly, the shipping companies can also dedicate themselves to operating their own ships. The shippers can concentrate on their main business just as the shipping companies can do so. In fact, it is not easy for shippers to get information from all shipping companies and negotiate directly with shipping companies. Collecting information of international logistics in detail is very difficult currently in Japan.

 

To collect and provide such information is the role of the forwarder, It can be said that doing so is the biggest characteristics of the forwarder. Forwarders visit the headquarters of shipping companies that is located overseas. They make a strong connection by direct negotiations with the person who takes charge of pricing and space-controlling. Furthermore, it sometimes happens that forwarders collect information by having a kaishoku lunch or dinner with the persons who is in the officer class of the shipping company. Like this, Forwarders may get the information that even the person who represents the Japanese shipping company can not get.

 

Actually, the air transportation industry is already operated in the manner that almost all spaces are provided only for air forwarders. The marine transportation industry is also able to realize this style. Abroad, there are many cases that forwarders make closer relationships and healthy partnerships with real shippers.

 

Shipping companies can not stock what they sell (the spaces of the ship). To protect shipping companies in overwhelmingly disadvantaged to buyers is a “fair deal”. As I mentioned earlier, there was an international cartel called the shipping conference (freight union). I suggest shipping companies should be able to have a good discussion opportunity regarding freight.

 

The industry which people cannot do the business with the proper prices will be doomed to fail sooner or later. The industry itself will surely decline.

 

Efforts are also required to secure proper fares to maintain and develop the Japanese shipping industry. I think something should be done including a petition to the Fair Trade Commission to avoid Japanese marine shipping industry’s plunge into the worst situation.

 

As I mentioned in Chapter 1, over 99% of Japanese trade is carried out by ships. Japanese shipping companies are responsible for international shipping, which can be said to be an important social infrastructure that is indispensable for the survival of Japan, The fact is that all the Japanese international shipping companies have been actually consolidated into one company after half a century history of the international shipping industry. In other words,

there were 12 Japanese shipping companies in 1960’s. Today after about a half century, they have become one gigantic company.

 

Bid rigging or alliance, even greeting people with shipping companies are prohibited in he shipping industry today in Japan. I wonder why consolidation is OK even greetings are severely frowned upon. was no problem? Rather than the alliance, the consolidation could be looked upon as a case of”bid rigging”. Because the alliance can be regarded as gentle negotiation opportunities. When multiple shipping companies are around, the fare differences did occur and they could fairly compete with one another. Natural competetions would be better for protecting consumers by letting them have multiple choices than having them face unified services and prices.

 

Making a new shipping company is also never promised successno easy challenge at first. It is uncertain if it will do well in the future in  competing with foreign capital. It could happen in the future that there will be no more Japanese shipping companies that handle the international shipping. For example, it is almost equal to the situation where all electric companies are managed under foreign capital. If foreign capital take all Japanese electric power, will they supply electricity for Japan at the time of a war? The Japanese shipping industry is about to enter such a critical stage.

 

Shipping companies have enlarged their ships to increase transportation efficiency. It then caused too much space supply. As a result, the profit margin fell down. Subsequently, shipping companies enforced mergers or acquisitions to overcome their economic slump. They realized cooperative ship operations through alliances.

 

At the same time, Japanese shipping companies started to entrust foreign ships and foreign crew members to operate them. Through these movements, the low fare was realized, and, on the other hand, shippers had to face inconveniences. In addition, it leads to Japan’s setback in terms of its preparation for a future war. This flow will not benefit not only shipping companies but also related companies, shippers, and the general public. As the person who is involved in the shipping industry, I earnestly wish the competitions among shipping companies will soften.

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つづく。

次回は、「過当競争の荒波を越えて」というテーマで「手を携え「最適物流」の実現を」をお話しいたします。

 

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最適物流の科学――舞台は36106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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