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2020年04月17日

ハリー・ヨシダ氏 YouTube動画紹介 ①通関士、乙仲の仕事とは?船に積み込み、船荷証券(B/L)の入手までの貿易実務とは?

弊社の社員教育でも活用しているハリー・ヨシダ氏の貿易実務講座YouTube動画を、

本ブログで毎週1講座ご紹介させていただきます。

皆様もぜひお役立てください。

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それでは、国際物流と貿易書類で、今日は、乙仲さんですね、

海貨業者さんがどういう活躍をするのか、というお話をしたいと思います。

まず、普通の船、いわゆる在来船ですね。

コンテナではない在来船、普通の船にバルクで物を積み込むような場合、バラ荷で積み込むような場合に、

どういう船積み手続きがあって、そこで乙仲さんがどういう活躍をするのかというのをお話してみたいと思います。

在来船とコンテナ船があるのですが、使う書類が多少違います。

在来船はS/A, M/R, S/Oという書類を使います。

今日はそのM/R, S/Oのお話を致します。

(資料1:00~)

それではですね、流れですが、まず乙仲業者さんが左で、ここから船会社に何をするのか、

そして実際に港にある船に何をするのか、というお話をしていきたいと思います。

まずですね、乙仲業者さんというのは、例えば商社さんやメーカーさんが輸出する時に乙仲さんに「こういう荷物(例えば車を10台とか、機械を5台)を送ってほしいんです」という依頼のシッピングインストラクションというものが来ます。

船積み指図書というものが書類で渡されて、

「乙仲さん、これでお願いしますね」ということになる訳です。

そのシッピングインストラクションの紙に基づいて、乙仲さんは船会社に提出する書類を作ります。

どんなものがあるかというと、【7枚セットのS/A】というものがございます。船積み申込書。

特に中で一番大事なのはM/RとS/Oです。

このM/RとS/Oというものは行ったり来たりする訳ですね。

7種類が一体どういうものがあるのかと言いますと、こういう風になります。

S/Aは通常、次の7枚がセットになっています。

1枚目が『Shipping Application』。S/AというのはShipping ApplicationのSとAです。

Shipper’s Copy。荷主さん(輸出者)の控えになる紙ですね。

2枚目も『Shipping Application』で、船会社が使います。

B/Lとか、いわゆる船荷証券、そういった書類を作る根拠になる紙になります。

3枚目が『Bill of Lading』(EDP Copy)といいまして、社内書類ですね。

今のコンピュータ化をした状態ですので、それを使うというために1枚。

4枚目が『Shipping Order』(S/O)。これ大事ですね。

船長さんに「この荷物積んであげてね」「受け取ってあげてね」という指示書になる訳です。

だからShipping Orderというのは、船会社が自分の船の船長に

「この紙に書いてあるこの貨物を受け取って積んであげてくださいね」という指示になる訳です。

5枚目は『Mate’s Receipt』。Mateというのは一等航海士ということですね。

一等航海士は船に乗っている訳ですが、この方がちゃんと貨物を確認して、

「受け取りましたよ」ということでレシートを出すという意味の言葉です。M/Rといいます。

6枚目、『Shipping Order』の貨物計算用。

7枚目、『Shipping Order』。船会社の保管用に一枚取っておく。

大体こうゆう7枚で、その中で行き来するのが特にこの

M/R(メイツレシート)とS/O(シッピングオーダー)ということになります。

何かというと、メイツレシートというのは船に積んだ時の、

一等航海士さんがチェックしたよというサインです。

一等航海士さんにしても船長さんにしても、

この貨物ってどの貨物?って分かりませんよね。

そこがですね、この船積み指図書(Shipping Order)を見てですね、

「この機会が5台ですね、分かりました」ということになる訳でございます。

じゃあ、乙仲さんがどういう風に活躍するのかっていうのは

まず登場人物見ておいてほしいです。

乙仲業者さんが船会社に出す書類。

そこに出した書類でいくつか戻ってきます。

それを今度は、船に乗っている一等航海士と船長さんに見せる書類がある、と。

最後「受け取りましたよ」というレシートを乙仲さんからいただくと。

こういうざっくりした流れです。

この他に税関というものが出てきます。

じゃあ流れを見てみましょう。

(資料 9:09~)

1番。

輸出者は乙仲さんへShipping Instructionを発行して、貨物を船に積み込むように乙仲に依頼するんでしたね。これは大丈夫ですね。

2番。

乙仲は、船会社から得ている用紙「船積申込書」(S/A=Shipping Aplication)に必要事項を記入して船会社に提出します。これが7枚ぐらいセットになっていました。

乙仲さんは、同時に税関に行ってですね、輸出する貨物を税関に外国貨物として、外国に出す貨物として認めてもらうために保税地域に入れるんですけど、その時に入れますよという届けを「搬入届」というんですけれども、税関に搬入届を出す。(3番)

税関に申し出た上でですね、保税地域に入れます。

保税地域というのは実は、日本の外の国。

同じ日本なんですけども、保税地域というこの柵の中は、入り口から中に入っちゃったら、そこの倉庫とかその敷地はですね、もう外国なんですね。

日本じゃないんです。

という風に法的に位置づけられる訳です。

そこに入れるデータ。入れると怒られますからね。

搬入届を税関に出す。

4番は乙仲さんは、当然運ぶときに預かっている貨物。

例えばトヨタさんやホンダさんから預かった車だとか、機械メーカーさんだったら機械のモデルナンバーとか、どの貨物かが分かりやすいような荷印というのを付ける訳ですけどね。

それを確認したり、個数を確認する。

間違えてるとややこしいですからね。

この時に手直しを輸出者にしていただかないといけないので。

しっかりチェックします。

問題が無いなということを確認するということが前提ですね。

5番。

乙仲さんはですね、「よし、これでOK」ということで税関にいよいよ輸出申告を行います。

紙に商品の名前とか重量、数量、必要な事を全部書いて出します。

6番。

税関は、まず申告書類を審査します。

これは輸出検査が必要だなという貨物がある場合には当然貨物検査という手続きに入ります。

書類だけでOKになる時もあります。

OKとなると、輸出許可書というものを税関は乙仲に交付します。

それを乙仲さんが受け取る訳です。

そして船会社はですね、S/A(Shipping Aplication)7枚のセットからまず、Shipping Order、これは船長さんへ「この貨物を受け取ってくださいね」という書類。

これを船会社さんがまずサインします。そうですよね。

船会社さんがまず確認しないと、船長さんが受け取れないですからね。

「本社が確認してないじゃないか」という話になります。

本社が確認済みということですね。

そして、メイツレシート。これはサイン欄は空白になっています。

ということは、サインは誰がするんでしたっけ?

そう。船に乗っている一等航海士さんです。

だからこの段階ではまだ白紙なんですね。

このセットを乙仲に渡して

「乙仲さん、これで船の方に渡してくれますか」と船会社が渡すんです。(7番)

8番。

乙仲さんは次の書類を本船の一等航海士に提出します。

いよいよ船に乗っている一等航海士さんにお渡しする訳ですが。

まず税関の輸出許可ですね。

これがないと一等航海士さんは受け取ったらまずいですからね。

「税関認めてないじゃん」って感じになりますからね。

「税関もOKくれてるよ」

船会社「本社もOKしてるんだね」→OKということですね。

そして、メイツレシート。ここに自分がサインするということになります。

一等航海士さんがね。

これを乙仲さんが耳をそろえて提出する訳でございます。

乙仲さんは今度、通関が終わった貨物を保税地域から出してですね、本船の船側。

船側というのは船の横につけると。(9番)

従来船ですので、そこからクレーンで持ち上げるとか、人間の肩に乗せて運ぶとか、そういうことをする訳です。運ぶ方はステべという風に呼んでます。

Stevedore(ステべドア)とか呼んでるんですけどね。

いわゆる荷役作業をしてくださる方です。

10番。

一等航海士さんは、M/Rにサインします。

受け取ったら、内容(数とか合っているか)を、一等航海士が全部自分でやる訳にはいきませんから。

第三者、検数人という、ちゃんとこれを仕事にしている人がいるんですよ。

これをTallymanとかCheckerと呼ばれてるんですけど、こういう仕事があるんですね。

一等航海士さんの代わりに数を数えたり量を確認したり。

貨物に異常が無いかをチェックするんですね。

この人に書類(M/R)を渡します。

11番。

荷主側の検数人と船会社側の検数人が立ち会います。

輸出する側(乙仲さんが指定した人)と船会社側の立場になる人が

「これは12個あるね」

「確かに12個あるね」

とお互いに確認する訳ですね。

貨物の数や、どこにも傷が無いよねということで、損傷の有無をチェックします。

船側の検数人がですね、貨物の個数を検数表に記入します。

Tally Sheetというのがあるので、

例えばそこに確かに12個受け取りました、ということになる訳です。

そして、S/O、S/Rに署名して、一等航海士に渡します。

もし貨物に不足や異常がある時は書かなきゃだめですね。

検数表に記入してですね、S/Oにも記入して。

これをリマーク(注意書き)する訳です。(12番)

13番。

一等航海士はS/Oに積み込み日を記入し、サインをする。

最終的に「私が〇月〇日に確認してサインしました」と責任を取る訳ですね。

そして、立会い本船側の検数人に渡します。

それを本船検数人がサインして、荷主側検数人もサインして、乙仲へ渡されます。

リマーク、要するに問題が無い場合は、これを、無故障本船貨物受取証と呼びます。

当然こうでないといけない訳ですよね。

現地に着いてから壊れていたときに

「積むときから壊れていました」じゃまずいですからね。

貨物を積み込む業者はステべドアと呼びます。

15番。

乙仲さんは、一等航海士から渡された署名があるS/O(本船貨物受取書)を税関へ提出します。

すると税関は、「滞りなく船にお積みになりましたね」と確認できるわけです。

そして、16番。

税関は船積み確認済輸出許可証を出してくれて、それを乙仲さんが受け取ります。

乙仲さんは、次の書類を船会社に持って行って、B/Lを入手します。(17番)

いよいよこの船荷証券をやっと入手できる訳ですね。

まず船会社さんに、さっきのS/O、それから船積み確認済輸出許可書。

あと、運賃前払いの時は運賃を先に払っておきます。

これで船会社さんは

「確認致しました。船荷証券確かに受け取りました」という有価証券を発行する訳です。

以上の流れになります。

こういった内容を私が貿易実務セミナーでお話をしております。

もっともっとこういったことを勉強したいな、貿易実務を勉強したいなと思う方は、私のセミナーや教材がございますので、どうぞこの下にURL等書いておりますので、ご参考にされてください。(https://boueki-academy.jimdofree.com/)

それではですね、皆さん、今日の講義がお役に立つことを祈っております。

それではまた次の講義をお楽しみに。

ぜひ、私の教材をご購入いただいたり、セミナーの日程を確認してご参加いただければ、大変うれしく存じます。

それではどうも、貿易アカデミーのハリー・ヨシダでした。

貿易アカデミーとググっていただきますと、いろいろHPが出てまいります。

どうぞ、よろしくお願い致します。

 

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ハリー・ヨシダ氏 (Harry Yoshida)

 

<資格>
・JETRO認定貿易アドバイザー(認定番号No.283)
・通関士(東京税関第2376号)
・元、ユアサ商事㈱ 管理部長、審査部海外担当部長
・安全保障輸出管理実務能力認定試験 (STC Associate)
・剣道六段錬士
・関西学院大学商学部  卒
・関西外語専門学校 講師(貿易実務、国際ビジネス入門)
・日本貿易実務検定協会 非常勤講師(貿易リスク・セミナー)
・貿易アカデミー 代表講師 (貿易実務、貿易英語 検定合格指南)
・LEC東京リーガルマインド 講師

【講義・講演実績】
三菱商事グループMCトレーディング社様 / ㈱ラクーン(上場IT企業)様

エヌ・イー・ケムキャット㈱ 様 / ユアサ商事㈱(一部上場)様

他、各種企業様にても講演 。現在、官公庁関係からのご依頼もいただいております。

 

投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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