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2019年09月11日

コラム/最適物流の科学㉓

最適物流の科学

 

弊社社長の菅が、2017年12月に『最適物流の科学―舞台は36106万平方km

海を駆け巡る「眠らない仕事」』という書籍を出版しました。

 

そこで、本ブログでも、その書籍から抜粋した内容を

毎週1話ずつ、ご紹介していきたいと思います。

 

第二十三回となる今回は、「海も陸も、スムーズな連携で荷物を目的地へ」というテーマでお話しいたします。

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フォワーダーの優位性は、国際複合一貫輸送でより鮮明に

 

フォワーダーが特に力を発揮できる分野の一つとして、国際複合一貫輸送があります。国際複合一貫輸送とは、複数の輸送手段を組み合わせて貨物を海外へ運ぶケースを指します。海外に向けてドア・ツー・ドアの輸送を求められた場合、当たり前ですが船だけを使って実行することはできません。船の他に、トラック、鉄道といった陸上輸送を担う手段が必要になるため、その連携がうまくできる事業者が不可欠となります。

国連国際物品複合運送条約(一九八〇年採択)によると、「国際複合運送とは、複合運送人が物品をその管理下に置いた一国のある場所から、荷渡しのために指定された他国のある場所までの複合運送契約に基づく、少なくとも二つの異なった運送方法による物品の運送をいう」と定められています。

つまり、二国間で、単一の運送契約に基づき、二つ以上の運送手段を使って行なわれるものを国際複合運送と呼ぶのです。二つ以上の運送手段とは船舶と鉄道・トラック、航空機と鉄道・トラック、あるいは船舶と航空機といった組み合わせが考えられます。中でももっともメジャーなのが、船舶と鉄道・トラックを使った海陸の一貫輸送です。この形は、コンテナ船の発達とともに普及していきました。

かつては、海外へ貨物を送る場合、運送手段ごとに個別の契約を交わす必要がありました。経由地での通関など煩雑な手続きもあります。これを複合輸送人として一貫して請け負うようになったのがフォワーダーです。もちろん船会社が複合輸送人になる場合もありますが、自社の船舶を使うという制約があるため、陸上輸送との連携が必ずしも最適な流れになるとは限りません。そうした点で、国際複合一貫輸送ではフォワーダーの方に優位性があるといえます。

国際複合一貫輸送においては、複合輸送人が船会社、鉄道会社、トラック運送業者、航空会社などを下請運送人として使用します。複合輸送人は、荷主に対しては、複合運送書類の運送約款に基づき運送責任を負います。

ただ運送約款では複合輸送人が全区間において責任を負う形にはなっていません。陸、海、空の各区間で輸送を請け負う下請運送人との運送約款、およびそれらに適用される国内法、国際条約に準拠して運送責任を負います。

国をまたぐ国際輸送においてもドア・ツー・ドアが定着した現在では、国際複合一貫輸送はむしろ当たり前となっています。輸送コストの削減、手間の軽減、リードタイム(荷受けから荷渡しまでにかかる時間)の短縮が求められる中、国際複合一貫輸送への要望はますます高まっています。

 

 

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つづく。

次回は、「事例から知る緊急対応時の力量」というテーマでお話しいたします。

 

ご興味を持っていただけた方、続きを一気にご覧になられたい方は、ぜひアマゾンでお求めください♪

最適物流の科学――舞台は36106万平方km。海を駆け巡る「眠らない仕事」

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投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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