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2020年05月15日

ハリー・ヨシダ氏 YouTube動画紹介 ④乙仲とフォワダーの違いとは?Forwarderと乙仲さんは違うのかな?

弊社の社員教育でも活用しているハリー・ヨシダ氏の貿易実務講座YouTube動画を、

本ブログで毎週1講座ご紹介させていただきます。

皆様もぜひお役立てください。

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貿易実務検定協会C級、B級合格のためのサプルメント講座です。

私の授業を受けてくださっている、ある生徒さんが

「先生ちょっと聞いていいですか」と来られて「なんですか」と聞いたんですね。

「実は私就職活動のために、ある航空貨物運送の会社様のワイヤーを見学に行きました。

そこでお話をした時に、乙仲さんという言葉を自分が使ったら、その会社の方に「乙仲ってなんですか」

って言われたんですけども、乙仲って国際運送する通関や、

貨物の運送も含めて全部をやる会社のことを言うんじゃないんですか」

というご質問がありましてね。面白い質問なので皆さんとシェアしたいですね。

そうですね、私なんか商社にいましたので、別にBA級実務検定を勉強しているわけでもなく、

ただ会社に入って貿易部門に派遣されて、

そこで色々インボイスやパッキングリストを作っているという特に何の勉強もしていないよという人は、

「これ輸出だからちょっと乙仲さん呼んで相談しようか」

という感じで乙仲さんを呼んで打合せしようという時に、どんなイメージで言っているか。

要は輸出のための通関を含めて荷物を引き取ってくる集荷をしてくれて、通関申告手続を全部やってくれて、

船の段取りもしてくれて、飛行機の段取りもしてくれる。

まあ複合一貫輸送を全部受けてくれるところを、商社の人たちは特に

「コンソリデーター呼べ」とか「フォワーダー呼べ」とかいうのは言わずに

「乙仲さん呼んでさ」なんて話をつい言ってしまう。

ところが、ところ変わって実際の貨物運送をやっている業者さんになってくると,

もう少し言葉の定義が明確になってきまして実は、航空機を使って輸送されている航空貨物運送専門の

会社さんのことは乙仲という言葉はあまり慣れておられない可能性があります。

それよりも、フォワーダーとかコンソリデーターとか。

「乙仲さんですか」「いや、うち乙仲じゃないですけど」

とおっしゃると思います。

じゃあ、一体その違いは何なのか。

とっても良い質問ですね。

これ業界用語、いわゆる慣習の話になりますけども。

ちょっと見てみましょうかね。

乙仲さんという言葉はですね、いわゆる俗称と思ってください。

例えば皆さんがクロネコヤマトさんとか佐川急便さんとかの会社を指してなんて呼びます?

宅配さんとか言いませんかね。

厳密にいうと宅急便がどっちかで宅配便がどっちかなんですけどね。

ヤマトさんとクロネコさんは使い分けてるんですよ、本当は。知ってました?

どっちかは忘れましたけど、宅急便がどっちかで宅配便がどっちか。

どっちかがクロネコさんでどっちかが佐川さん。これごっちゃにすると怒られちゃうらしいですよ。

「でもクロネコだろうがヤマトだろうが、要は宅配さんだろう」

なんて、あの感覚に近いですね。

特に商社とか、実際に貿易をやっている貿易業者さんからすればですね、海も船も全部ありですから。

含めて全部ね、フォワーダーを呼びましょうと英語で呼ぶ人もいるんでしょう。

まあ「乙仲さん頼もうぜ」というような話をする言葉の使い方があると思います。

実は正しい用語じゃないんです。

慣習的な呼び方で、いわゆる商社と貿易をやっている人の業界用語だと。

商品を販売して輸出したり輸入している人の、その業者の、特に実際に輸出業者さんとかね、

輸入業者さん、商社さんとか、ゆうような方がよく使う呼び方です。

だから私も商社の仕事をしているときはよく使ったんですけども。

では、乙仲さんの歴史的背景をちょっと見てみましょう。

実は、ない規定なんです。

乙仲さんという規定はもう1947年(昭和22年)に廃止されたんです。どういうことかと言いますと、

1939年(昭和14年)から1947年(昭和22年)の間有効だった法律があるんですね。決まりがあるんです。

それが海運組合法という法律なんです。

この海運組合法という規定されている法の中で、この海運仲介人という言葉があります。

海運仲介人。これなんですよ。これ、港なんですね。海の港。

ここにいる海運仲介人ということになります。

そしてこれを甲種、乙種に分けたんですね。この規定の中で。

甲種ってなんなの。乙種ってなんなの。

まず甲種というのは、不定期船。

〇月〇日に横浜の港を出て、〇月〇日にシンガポールの港に着いて、

というちゃんとタイムスケジュール、タイムテーブルが決まっている船を定期船。

そうではない不定期船ってなんでしょう。

これは、例えば皆さんが勝手にフィリピンの船をチャーターしたとしますね。

一隻チャーターする。

こういった一隻チャーターすることをチャータリングと言いますけども。チャータリングをしてくれる会社。

自分でいちいち船を探してね、船会社さんをチャーターするって自分でなかなかできないじゃないですか。

専門の業者、チャータリングブローカーに頼む、と。

これを当時、日本では甲種乙仲さん、ということで甲仲さんだったんですね。

これが甲仲さん。甲仲さんを呼んで、傭船契約をする。それ以外の皆さんは定期便。

要するに、バスという風にね、ちゃんと820分のバス、840分のバスという風にね、そういった形で定期的にね。

電車なんかそうですよね。皆さん乗っている山手線やそういったJRの電車はほとんど定期便ですよね。

時間通りに来ます。

これを定期便、この船を定期船というんですけども。

こういった定期船を使ってですね、物を運んでもらうのをお願いする仲介人みたいなものをね

、乙種海運仲買人と、こういう風に呼んでおったそうです。

私も31年生まれなんですけども、私も生まれる前に終わっちゃったんですけど。

こういう歴史があってね、業界が、何かを船で運ぶとなると、

「乙仲さんに相談しよう」と皆こういう風に言ってたんですね。

想像できますよね。

イメージでいうと、乙仲さん、ここにある乙種の海運貨物取扱業者さん。

今でいうFreight Forwarderにもなりますし、Shipping Agentにもなります。

Landing、荷下ろしですね、船から荷物を下ろすLanding Agent

後は通関をやってくれるCustom Broker

ということで、こういった仕事をされる。

今でもですね、乙仲さんというのはこういった意味をいれている訳です。

しかも今は複合一貫輸送になっています。

船に積んだとしてもそのあとね、また鉄道で運んだり、

トラックで運んだりトレーラーで運んだり、コンテナだったらコンテナトレーラーで運ぶでしょ。

今ほとんどコンテナ輸送になってきたので、海だ陸だ飛行機だってほとんど認識がないじゃないですか。

輸出すればなんでもいいからとにかく乙仲さんとか言っちゃう。

ところが言われた運送業者さんは

「いやうちは乙仲じゃない。コンソリデーターです。」とかいう風におっしゃる。

だから先ほどの生徒さんがそういった飛行機関係の運送のワイヤーに行ったときに社員さんとそういった会話をして、

乙仲という単語を口にしたところ、相手はきょとんとして「乙仲ってなんですか」と。

まあそういった背景があるから仕方無かったのかなと。

でも驚くことは無い。分からないことを、どうこう言う必要はない。

ということで、こういった色んな用語があるんだなと、こういう事を知っておけばですね、

皆さんは一つ上のランクのビジネスマンになったということではないでしょうか。

ということで、乙仲とフォワーダーの違いは何か、もう皆さんは言えますね。

それではみなさん、一発試験合格をお祈りしております。

また、このハリー先生にこんなことを解説してほしいというのがあれば、

ここのYouTubeの下のコメント欄に書いていただいてもいいですし、また私のFacebookページというのがございまして、

貿易アカデミーの方にメッセージでいただければ嬉しく思います。

やはりFacebookページですとね、皆さんのお顔も見えるので、マンツーマン、

人と人との関係ができるので、できればFacebookページでお友達になりましょう。

それでは、また。

 

投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


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