ジャパトラブログ&ニュース

HOME > ジャパトラブログ&ニュース

2020年06月02日

ハリー・ヨシダ氏 YouTube動画紹介 ⑥船荷証券(B/L)【前半】特徴と分類 Received B/L, Shipped B/L, 裏書 Letter of Indemnity 他

弊社の社員教育でも活用しているハリー・ヨシダ氏の貿易実務講座YouTube動画を、

本ブログで毎週1講座ご紹介させていただきます。

皆様もぜひお役立てください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

船荷証券ってどんな種類でした?

すごく大事なんだけど。何で大事なの?

荷物を引き取るときに、

この船荷証券を持ってる人が貨物を受け取ることができるというものでしたね。

中身は何かと言うと、ただの紙なんですけども。

これは NSK という会社が、 商品を受け取りましたよ、

という受け取った内容がここに書かれている。

これが B/L でしたね。Bill of Landing

受け取る時にこの書類が必要ということですので、

この書類がないと貨物は受け取れないということですから、

これはどういったことなのかということをまとめてみたいと思います。

 

B/L には四つの特徴があると言われています。

まず受取証。

船会社がこれを受け取ったという書類です。

二つ目は有価証券。

貨物が1億円のダイヤモンドの船荷証券であれば、1億円の価値があるんですね。

なぜかと言うと、この書類を人に渡すことでその価値が相手の方に行きますから、

ダイヤモンドをそのままあげてることと同じことになりますね。

有価証券は貨物引渡請求権を証券化している、とこういう風な言い方をしています。

現金を持ち歩いているのと一緒です。

3番目は流通証券。

裏書と言いまして、輸出者が裏にサインをすることで人に渡すことができる。

受け取った人がこれで請求する権利を持ちます。

白地裏書というものをやりましたね。

英語で言うとblank endorsement

誰々さんへというところが白紙だと。

誰に渡すか書いてないんですよ。

書いてないから持ってる人のものということになります。

相手の名前を書いてないので自由に流通するということになります。

四つ目は貨物引換証です。

B/L を船会社に渡すことで貨物を渡してくれるわけですから、貨物引換証という意味になります。

B/L を持っている人に貨物が渡されるということが約束されているということですね。

ということで船荷証券の四つの特徴は何か。

これ、試験に出しやすいですね。

 

皆さんのお手元にある書類は、ちょっと表現の仕方が違うけど同じような内容ですね。

一番が貨物の受取証。

船会社が貨物を受け取ったことを証明する。

2番が運送契約書。

船会社が運送を引き受けたことを示す契約書。

3番が権利証券。

船荷証券を所持する者が貨物の引き渡し請求を行うことができる権利書。

転売できる有価証券。

じゃあ皆さんお手元にある書類を見ながらご説明したいと思います。

先ほど言いましたように、四つの特徴がある。

大体イメージがつかめたんではないかと思います。

船荷証券というのは、 研究してみるといくつかの種類があります。

船荷証券の性質を理解するために、学術的に分析をしてみるとこういうことになります。

まず一番最初に出てきているこの船積船荷証券。

英語で言うと Shipped B/Lです。

Shipped B/LとReceived B/Lの二つに分かれます。

在来船とコンテナ船の違いはお話ししたかと思うんですが、違いわかりますかね。

コンテナ船の場合はコンテナヤードに持ち込むわけですけれども。

在来船はぞうじゃないですよね。

まず在来船は非常に簡単です。

船の上に貨物を置いた状態で B/L が発行されます。

すなわち、 B/L が発行されるということは船に乗ったということです。

ですから B/L の中にShippedという表現が出てきます。

Receivedというのはどういうことかと言うと、

コンテナヤードの入り口でオペレーターが貨物を受け取る。

まだ船には乗ってないので、Receivedという表現になるわけですね。

コンテナを使った場合の B/L Receivedということになるわけですね。

ここまでいいですかね。

試験問題に出すのは簡単ですね。

Shipped B/LとReceived B/Lの違いを述べよ。

On Board Notation とは何なのか。

Received B/Lの場合は、貨物を受け取った日付が書かれているが、船に乗せた日は載ってない。

On Board Notationというのは、 船に積んだ日を後から書き足します。

書類上のLaden on Board the Vessel

Vesselというのは船のことです。 Boardというのは船上のことです。

この日付を書いたことを On Board Notation があるという表現をいたします。

これにより信用状による手形買取の要件を満たす。

信用状取引という特殊なケースで決済する場合は、銀行が間に入ります。

銀行は船に乗せた日を大切にします。

船に乗ったらお金を払うという考え方なので、

Received B/Lでは銀行はお金を払ってくれません。

ちゃんとOn Board Notationがついて、船に乗ったということを確認したら、

銀行が手形を買い取ってお金を出してくれるというふうな流れになっています。

ということで、信用取引の場合には、

On Board Notationが必ず書かれた B/L が必要になるというわけです。

貿易を実際にやる、通関をやってる方にとっては大事な情報になります。

 

次。無故障 B/L と故障付 B/L

無故障は英語でClean B/Lと言います。

故障付はFoul B/LとかDurty B/Lという言い方をしています。

何が違うのかと言いますと、 オペレーターの人や、船に乗っている人が商品を受け取ったときに、

『あれ?なんかおかしいな』

と気づく。例えばへこんでる。または数が違う。商品が違うとかね。

割れているとか。箱が濡れているとか。

いろんな問題を発見した場合に、リマークというものを書きます。

それが B/L に書かれちゃいますので、受け取った時に瓶が割れてたよとか、本数が足らないとか。

そういった問題がない場合はClean B/Lと言います。

日本の場合はこれを無故障 と言います。

 

B/L を作る前に一等航海士が受け取った時にサインをするんですけど、

その時にリマークを書きます。

それを見た船会社の本社は、受け取った時に問題がありましたね、

と本社はそのまま B/L に書きます。ということになります。

こういった場合には銀行はお金は払いません。

Clean B/Lだったらお金を払うけどFoul B/Lだったら、問題があったらお金は払わない。

じゃあ輸出者はどうするんですかね。

輸出者はこれを消してしまう。船会社になかったことにしてもらう。

銀行がお金を出してくれないと問題なので、船会社にお手紙を書きます。

Letter of Indemnity。

Indemnity というのは補償を意味します。

手紙の内容は、要はですね、これに関わる全ての人に対して、

この行為で生じたあらゆる損害賠償請求を全部払うので

Clean B/Lにしてください。ということですね。 

こういう手紙を書くことで綺麗な B/L になるわけです。

嘘ばっかりだね。

貿易ってこんなもんです。

 

【後半に続く】

投稿者

ジャパントラスト株式会社 

 


カレンダー
2020年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
カテゴリー
最近の記事
アーカイブ
ページトップへ